短期連載:新型コロナウイルス対策制度の基礎知識 第3回 事業者向け情報 (2)資金繰り支援

コロナウイルスの影響で,島根でも様々な業種で売り上げが激減しています。

 

しかし,たとえ売り上げが激減しても,仕入れに対する買掛金などの支払いは必要です。

 

また,前回までのところで紹介した通り,雇用継続のための助成金はありますが,先に支払いが必要であり,かつ助成金を受け取るまでには少なくとも1か月のタイムラグがあります。

 

このため,事業者は,売り上げが立たない中でも当座の資金繰りをしなければなりません。

 

この資金繰りの支援として,2つの制度を併用することで「実質的に無利子で特別の融資を受けられる仕組み」が設けられました。

 

 

1つ目の制度は,新型コロナウイルス感染症の影響に対応するための特別な融資制度です。

 

現在運用されているのは,日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付制度です。

 

このうち,小規模事業者を前提とする国民生活事業における特別貸付の概要は以下のようなものです。

 

■対象となる事業者

 新型コロナウイルス感染症の影響で一時的な業況悪化

  →最近1か月の売上が前年or前々年の同期と比較して5%以上減少,など

 

 ■普通貸付に別枠(6,000万円)を措置。金利を3年間0.9%引下げ。

    ※災害金利 1.36%を適用。

    3,000万円以内 1.36%→0.46%(3年間)

    3,000万円超  1.36%

 

 ■貸付期間(据置) 設備資金20年以内(5年以内)、運転資金15年以内(5年以内)

 

要するに,低利+5年以内の返済据置がセットになった無担保融資を既存融資とは別に受けられる,ということになります。

 

もっとも,この特別融資は確かに条件こそ有利ですが,利息の支払いが必要な融資であることは変わりありません。

 

業績が回復する前に利払いをしたことにより,利益が圧迫され,かえって資金繰りを悪化させることになれば特別融資の意味が薄れてしまいます。

 

 

そこで,2つ目の制度である特別利子補給制度を併用することで特別融資を「実質無利子」とする必要があります。

 

この特別利子補給制度は,前述の特別融資を受けた事業者のうち,売上高が急減した事業者については,融資後の当初3年間,上記の0.46%の利息部分について,利子返済後に同じ金額の補給(政府からの現金給付)を受けられるという制度です。

 

実施機関など詳細はまだ確定していないようですが,適用対象となる事業者は次のように定められています。

 

 ‐規模事業者(従業員規模:小売・サービス業などでは5名以下,製造・建設などでは20名以下)

  →個人事業主:要件なし

   法人:売上高15%減少

 

 中小企業者(^奮阿了業者)

  →売上高20%減少

 

したがって,売上高が20%以上減っている事業者であれば,特別融資+特別利子補給制度によって実質無利子の融資を受けられる,という制度設計になっているわけです。

 

 

この制度のポイントの1つ目は,先行して利払いをした後で同額の現金交付を受けられるという点です。

 

一度は利払いが必要であるため,「実質」無利子と呼ばれるわけです。

 

これは,既にご紹介した雇用維持のための助成金と同様のスキームですので,先行支払いリスク&直ちには受け取れないリスクも同様です。

 

 

ポイントの2つ目は,この制度は,既存債務の借り換えにも使えるという点です。

 

ただし,借換の対象となるのは,公庫等の既往債務に限られるようですので,全ての債務を実質無利子にできるわけではありません。

 

それでも,既存債務についても実質無利子化できるのはメリットが大きいのではないかと思います。

 

 

制度解説については,以下のURLにある政策金融公庫提供の資料が分かりやすいと思います。

 

https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/pdf/covid_19_faq_jisshitsumurishika.pdf

 

特別融資+特別利子補給について,コンパクトにまとまっています。

 

 

この他にも,旅館業・飲食店・喫茶店営業を対象とした衛生環境激変対策特別貸付や,民間金融機関からの融資を受けやすくするセーフティネット保証や保証料減免制度など,いろいろな資金繰り援助制度が作られています。

 

まだ詳細が明らかになっていないものもありますので,事業者の皆さんは,メインの金融機関や商工会議所・商工会に積極的に相談して情報収集し,使える制度は十分に活用されるとよいのではないかと思います。

 

 

次回は,テレワーク整備に使える支援制度をご紹介します。



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