養育費の考え方

離婚する際の主要な問題点の一つである「養育費」ですが,どのような考え方で決められるかについてご存知でしょうか。


今日は,この養育費の金額算定の考え方について,簡単に説明してみたいと思います。


養育費についても,当事者双方が合意できるなら,その金額は自由に決められます。

しかし,通常は簡単にはこの合意はできません。

というのも,払う方はできれば払う金額は少なくしたいのが人情ですし,もらう方はできるだけ多くもらいたいのも人情ですので,何らかの基準がない状態では双方納得での合意に至らないからです。


そこで,離婚調停等の実務では,一定の基準を用いて妥当な養育費を算出し,それをベースに協議で決めるのが通常となります。


この算定については,最近では平成15年に「東京・大阪養育費等研究会」が提案した養育費算定方式などを使用することが多いため,以下それを少し紹介します(参考文献:判例タイムズ第1111号)。


基本的な考え方は,以下の3段階です。


,泙此ど廖妻それぞれの「総収入」(源泉徴収票でいえば「支払金額」の部分)から,公租公課・職業費・特別経費を控除して,養育費をねん出する基礎となる収入(「基礎収入」)を算出します。


△修靴董ぜ,亡霑端入から「子の生活費」を算出します


最後に,子の生活費のうち,「養育費支払義務者の負担すべき養育費の額」を算出します。


このうち,,砲弔い討蓮ご霑端入の認定を簡略化するために,統計資料等に基づいて推計される標準的な割合を総収入にかけて基礎収入を算出します。


具体的には,

給与所得者:基礎収入=総収入×0.34〜0.42
自営業者:基礎収入=総収入×0.47〜0.52


という計算をすることになります。どの割合を選択するかはケースバイケースですが,高額所得者ほ
どこの割合は小さくなることになります。


また,↓については,生活費の指数を用いて計算します。

具体的には,


親の生活費の指数 100
15歳未満の子供の生活費の指数 55
15歳以上の子供の生活費の指数 90


を用いて計算します。


では,設例を用いて,具体的な計算を見てみましょう。


例えば,
・夫の平成24年度の総収入300万円(全額給与)
・妻の平成24年度の総収入200万円(全額給与)
・子は15歳未満の息子1名および娘1名
・離婚後の子の親権者は妻
・基礎収入算出のための割合は0.43
というケースを考えてみます。


ヾ霑端入の算出

まず,夫の基礎収入は,300万×0.43=129万円

妻の基礎収入は,200万×0.43=86万円

となります。


∋劼寮験菷颪了蚕

次に子の生活費は,

養育費の支払い義務者である夫の基礎収入である129万円×(55+55)÷(100+55+55)=67万5714円

となります。


5遡骸圓任△詆廚陵椣虍駟担額の算出

最後に,夫の支払うべき養育費の分担額は,

子の生活費である67万5714円×夫の基礎収入129万円÷(夫の基礎収入129万円+妻の基礎収入86万円)=40万5429円

となります。

そして,これは年額なので,月額に直すと,3万3786円となります。



もっとも,この数字は具体的な諸々の実情はひとまずおいて算出した数字です。

そのため,この算定式自体の相当性についてもいろいろな議論があるところです・

ですので,実際には,それらの考慮から外れた要素を加味した上で,当該案件における養育費のあるべき姿について,調停の席などで協議していくこととなります。



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