あなたのそばに弁護士はいますか

先日,九州弁護士会連合会が実施したシンポジウムの資料を読む機会がありました。

その名も「あなたのそばに弁護士はいますか ―弁護士アクセスの現状と課題」です。

このシンポジウムは,昨秋長崎で開催されたものです。

その問題意識は,いわゆる弁護士過疎・偏在問題を中心とした取り組みが進展した現在でも,なお市民・企業から弁護士へのアクセスが十分なものとはなっていないのはなぜか?という点にあります。

このシンポジウムで指摘されている弁護士へのアクセス阻害要因としては,

〃从囘障害(報酬が高いなど)

⊃翰的障害(弁護士に相談するのはこわい,はずかしいなど)

情報面の障害(自己の抱える問題が実は弁護士に相談すれば解決できる可能性があることを知らない,報酬が概ねいくらくらいなのか知らない,など)

せ間的障害(平日昼間に仕事を休んで相談に行くことができない,など)

ゾ貊蠹障害(自分の住んでいる市町村に弁護士事務所がないため,離れた事務所まで相談に行かねばならない,など)

Σ甬遒諒杆郢里梁弍に対する不満(きちんと話を聞いてもらえなかったため弁護士に不信をもっている,など)

が想定されています。

この点,このシンポジウムに先立ち,九州地区で実施されたアンケートによれば,「弁護士を利用したことのない市民」が,弁護士を利用したことがない理由として,

・費用が分からない,高すぎる(16.9%) 上記の

・敷居が高い,話が難しそう(12.9%) 上記の

・知っている弁護士がいない(6.1%) 上記の
 
の各理由が多く挙げられていたそうです。

このように,↓についての障害を感じておられる方が多いという事実を踏まえると,弁護士の数は増えても,「身近」で「信頼できる」存在にはなりえていないと痛感させられます。

同シンポジウムでは,今後の弁護士の課題として,市民・事業者と「顔の見える関係」を構築していくことが重要と指摘しています。

私も,まさにその通りだと思います。

そのためには,弁護士は事務所に坐して「事件」を待つのではなく,自ら情報を発信し,地域社会に積極的に足を運んで「人」と交流し,自分から社会と関わっていかなければならないと思います。

当事務所は,インターネットを活用するなどして積極的に情報を発信し,心理・情報面での障害ができるだけなくなるようにと取り組んでいますが,まだまだ地域の皆さんと直接顔を合わせて「顔の見える関係」を築くには至れていません。

とすれば,今まで以上に積極的に事務所から飛び出して,地域社会で人と会って語り,「そばにいて顔が見える弁護士」と思ってもらえるような活動をしていかなければならないことは明らかです。

そして,そんな活動こそが,弁護士に対する時代の要請なのだと思います。

シンポジウムの資料を読みながら,そんなことを考えていました。


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弁護士 中井 洋輔
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