時として言葉よりも雄弁に語るもの

弁護士といえば「言葉」といったイメージが強いと思いますが,実は普段の仕事では,言葉と同じくらい数字・数式を駆使しているのはご存知でしょうか。

私も,駆使とまでいえるかはわかりませんが,表計算による整理はかなり多用しています。

しかし,弁護士になる前は,そもそも「数字」はあまり好きではありませんでした。

たとえば,高校の数学などを思い出すと,その理屈は理解できるし,問題も解けるのですが,社会に
おける実在がイメージできず,あまり好きになれませんでした。

他方,同じ理系科目でも,生物などは,実在や機能がイメージしやすく,好きな科目でした。

要するに,抽象度が高すぎて,とっつきが悪いために苦手意識があったのでした。

当然,弁護士を目指して勉強していた頃も,弁護士になったら,数式とかとは無縁の生活になるだろうと思っていました。

ところが,実際に弁護士になってみると,無縁どころか数字とにらみ合うことが日常となっています。

例えば,訴訟における立証のために売上と営業利益の推移の整理をするときには,決算書を積み上げ,数字を拾って表に落とし込みます。

また,民事再生などの規模の大きな案件では,手続で得られる事業改善の程度の分析,税務リスクと繰越欠損の分析など,エクセルでシミュレートしながら,ああでもない,こうでもない,とPCに向かい続けなければなりません。

しかしこの手の作業が嫌いかといえばそんなことはなく,むしろ嬉々として数字と取っ組み合っている自分がいます。

思うに,弁護士の仕事の大部分は,事実を拾って整理し,目指す法規範が当該事案に適用されることを論証するところにあります。

そして,数字や数式は,現実を切り取って整理するという面からみると,言語以上に説得的で印象としてもわかりやすい論証に結びつく整理ができる可能性を秘めています。

この意味で,数字・数式などもまた,弁護士として使いこなすべき「道具」であるというのが私の持論です。

数字は時として言葉以上に雄弁に語る,というと少しかっこいいかもしれませんね。


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弁護士 中井 洋輔
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